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特集

 

 

つくる劇場であるKAATでは、どのような人が『駈込ミ訴ヘ』『トカトントンと』の制作の現場に携わっているのか、その一端をご紹介できればと思い、この程、全キャスト・全スタッフへのアンケート調査を行いました。

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アンケート内容
1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)
2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?
3.この仕事を始めたきっかけはなんですか? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

(以下自由回答)
4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。
5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。
6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。
7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。


現場に関わる人達の本音や人柄を垣間見ることができるかもしれません。週に3回ほど更新の予定です。お楽しみに!

 

 

person_18|久保田 愛|Ai KUBOTA |2013.4.4 |番外編!

久保田 愛

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

山本理顕設計工場(やまもとりけんせっけいこうじょう)/東京

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

建築家である山本理顕とともに、舞台美術のデザインを担当しています。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

きっかけは、山本が知人であったKAAT館長である眞野さんに「舞台美術をやらないか?」と誘われたことです。我々の事務所は建築設計事務所なので、前回の『トカトントンと』の舞台が初めての舞台デザインでした。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

公演期間中のことになってしまいますが、舞台が終わったあと、お客さんが一斉に舞台に近寄って「あぁこうなっていたんだ」と口々に言ってくれていたのが、あまりに目論見通りで印象に残っています。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

「女の決闘」という短編が好きです。
実に淡々としたドイツ人作家の原作を、太宰が人間味あふれる心理描写を加えながら解説していくという作品です。
初めて読んだとき、太宰の文章構成の巧みさに驚いたのと同時に、表に出てくることはめぐりめぐる人の思いの中の一瞬の像にすぎないということがすっと腑に落ちたのをよく覚えています。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

新作『駈込ミ訴ヘ』では「影のうつり方」にこだわりました。役者さんのみならず、その「影」にも注目していただければうれしいです。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

大桟橋の芝の上でのんびりとしてみてください。

 

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person_17|松本久木|Hisaki MATSUMOTO |2013.3.5

松本久木

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

有限会社 松本工房(MATSUMOTOKOBO Ltd.)/大阪府堺市

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

宣伝にかかわる諸々のデザインをする人

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

逃れがたい(家庭的な)(お金的な)事情により。
父母ともに新劇の役者・制作者だったので、ものごころつく前から周りには「演劇人」がうじゃうじゃいた。夜な夜なボットンフロなし「季節のない」ガタピシ長屋の我が家に薄汚い大人が数人集まって来ては、「セイサクカイギ」と称する何やら怪しい話し合いをしているのを襖のすきまからよく覗き見たものだ(子供は入ってはならない)。1センチのすきまの向こうに広がる、紫煙にけぶる大人の空間は、子供をおびえさせるには充分な濃密さと熱があった。自分の場合、演劇より先に演劇人に出会っている。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

KAATでの最初の宣伝会議。基さんが、「コンセプトはこれ。『ミウラがダザイでトカトントン、KAATが地点でトカトントン』(満面の笑み)」と発表した時の伊藤さんと熊井さんのポカンとした表情。おどろくほど反応が薄かったのが、味わい深かった。
このコンセプトは自分の中では、まだ「イキ」ている。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

太宰の小説はかなり読んだつもりだが、そのほとんどを忘れてしまった。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

自分の職分で言えば、芝居のイメージを芝居の情報として宣伝広告に利用しないこと。そしてその手法の限界を知ること。はた迷惑な話だが。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

「バンビ」(※詳細は安部さん文章参照)
あのラグジュアリー感は時間の経過による消耗のみが生み出せるもので、ゴムがゆるゆるに伸びたパンツのように、人に優しい。

 

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person_16|山本園子|Sonoko YAMAMOTO |2013.3.2

山本園子

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場 舞台技術課/大阪府

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

プロダクションマネージャー

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

短大のゼミで、人気のあった第一希望の抽選にはずれ、人が少なかった第二希望の演劇になったこと。
その後の授業で、80年代後半の小劇場を観て、「舞台の向こう側がいいな」と思ったことがきっかけでしょうか。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

みんなで1万枚のパネルを作ったこと。

 

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person_15|山口英峰|Eiho YAMAGUCHI |2013.3.2

山口英峰

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場/鹿児島県

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

舞台監督

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

高校生の時、芸術鑑賞会で舞台に触れ、興味を持ったのが始まりです。その後上京し、舞台専攻の大学に進学し、様々な出会いを経て現在、このKAAT神奈川芸術劇場で働いています。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

出演者が力一杯に床をハンマーで叩きつける演技が印象的でした。セットが壊れるのが先か、俳優が壊れるのが先かと心配してました。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

「人間失格」
欠陥品としての人間は自分だけではないと認識できるので

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

心にゆとりを持つこと

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

横浜中華街「山東」水餃子と焼き餃子
神奈川県警本部前「花菱」煮魚定食

 

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person_14|三浦 基|Motoi MIURA |2013.2.25

三浦 基

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点(合同会社地点)/生まれは博多。父親が転勤族だったためあちこちに住む。博多→山形→沖縄→大阪→秋田。そして大学進学と同時に東京。現在は京都。ちなみに両親の実家は秋田県。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

演出/劇団代表

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

中学2年生の時、秋田市の社宅に初めてCDコンポが来る。(安全地帯のCDも一緒に。)やがてひょんなきっかけで友川かずき(現・友川カズキ)というフォークシンガーのカセットに出会う。以来高校卒業まで、CDコンポにイヤホンをつなぎ、毎日のようにイヤホンで友川を聴く暮らしの中で、表現なしの人生はつまらないと気づく。アルトサックスを買ってもらうが、1週間であきらめる。ギターもやったがコードFができなくてあきらめる。自分でやる音楽にはそんなに興味がないことに気づく。なぜか役者なら向いているだろうと、それまで演劇をまともに見たこともないのに桐朋大学を受験したらやっぱり合格したので頑張るが、長台詞をやると声が枯れるのであきらめる。
大学2年の時、演出しかないと悟る。以来、まだあきらめていません。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

子役として姉の子供である甥を起用しました。出番も台詞も少なくしてあまり負担がかからないようにしました。が、実は、彼は他の役者の台詞をほとんど覚えていることが分かりました。ふざけてモノマネしている姿を楽屋で発見したのです。「革命は、革命は、まだ、まだ、ちっとも、何も、行われていないんです。もっと、もっと、いくつもの惜しい、貴い犠牲が必要のようでございます。」などとアクセントまで忠実に再現しているのを聞いたとき、ぞっとしました。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『親友交歓』
田舎者とは何か? それは誰のことなのか? 人間の性を描いた傑作です。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

役者が1時間半ずっと走りっぱなし、をやりたいのですが、できるかどうか。
体力の限界は思考の限界となり得るのか。見てみたいものです。
しかし、目下のところケガ人続出なのでできるかどうか……。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

有名だけど、やっぱり山東。餃子は安くておいしくて、家族団らんという哀しみすら味わえます。

 

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person_13|堀内真人|Mahito HORIUCHI |2013.2.24

堀内真人

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場/around 東京です。もっとも長く住んで、現在の自分に影響を与えているのは、土浦。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

劇場の技術監督でもあり、このプロダクションの技術監督でもあります。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

きっかけは、大学1年生のとき、寮で、まだ珍しかったマウンテンバイクのカタログを見てどれを買うか悩んでいたら、友人から「劇団をつくろう」と突然話しかけられ、二つ返事でOKしてしまったからです。本当は世界中の山を走り回りたかったのですが、今は劇場で何かを生み出そうとする人々の森をめぐる毎日です。新しい風景や人との出会いである点では、似ているのかもしれません。油断をすると、遭難してしまうところも。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

演出家のイメージが、舞台美術家の大胆な提案を呼び、舞台監督たちのアイディアがそれを具現化し、そこに熟慮した照明デザイナーが光を当てると、・・・誰も想像できなかった豊穣な空間が出現しました。その前に立った俳優は、とてつもなく素敵に見えました。冥利に尽きます。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

ひとつのカンパニーが二つの作品を交互に上演するのはあまりないことですが、より多くのお客様に劇場に足を運んでいただき、作品やカンパニー、そして劇場の魅力を感じていただく、大事な挑戦だと思っています。

 

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person_12|中里也寸志|Yasushi NAKAZATO |2013.2.22

中里也寸志

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場 広報営業課 営業担当/神奈川県

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

チケット団体販売です。より多くの方々に、特に若い方に「地点」の魅力を伝えたいと思っています。
是非、劇場へお越しください。眼から鱗です!

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

中学2年の秋、当時住んでいた広島県福山市民会館で劇団四季の「カラマーゾフの兄弟」を初観劇したのが演劇との出会いでした。背伸びした青春でした。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

原作を読んでから観劇すると、「地点」の魅力が倍増するかも

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

KAAT裏側の通り(海岸教会通り)の飲食店、「CAFÉ FLOWER」、「Osteria POZZI」、「Bistro du port 銅鑼」。どれも毎日おいしい料理を出してくれます。

 

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person_11|石田 大|Dai ISHIDA |2013.2.20

石田 大

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点/千葉県

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

俳優

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

高校2年生の時に地元の市の財団が主催していた演劇教室の高校生の部に参加しました。
「役者になりたい」などと恥ずかしくて誰にも言えず、家族にも内緒で小遣い銭をつぎ込んで通っていました。
毎週末に稽古をして年度末に市民会館のホールで公演をおこなうというもので、この時初めて舞台に立ちました。
演目は清水邦夫『朝に死す』でした。
またこの時、役づくりと称して生まれて初めてパーマをあてました。こちらは大失敗でした。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

われわれの劇団では、芝居作りと台本の構成がほぼ同時進行でおこなわれる為、公演が差し迫った時期にも新たな台詞が俳優に割り振られることが多々あります。
『トカトントンと』の制作時も同様で、演出から「ああ、ヒュウマニティ」という、一言ではありますがなかなかの名台詞を割り振られ、時間の迫る中、個人的に納得のいく「ヒュウマニティ」が出せず人知れず難儀しました。今回の再演にあたっても納得のいく「ヒュウマニティ」を響かせられればと思います。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『男女同権』にしてみました。 「戦後、都落ちした或る老詩人が地方の教育委員会からの依頼を受け男女同権と題しておこなった講演の速記録」という形で戦後民主主義の流行思想を題材に機会便乗主義的なものを皮肉っているように思います。
当時では時事ネタなのでしょうね。
小説の形式からはチェーホフの「煙草の害について」を連想します。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

今回の公演に限ってということではないのですが、やはりわれわれが集団としていままで積み重ねてきた、個々の発語、動きなどの表現術、また地点流のアンサンブルを更新していくこと。そしてKAATとの共同作業によって、それが唯一無二の、総合芸術としての演劇作品に結実することを目標にしたいと。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

『サージョンズカフェ イタリアーノヨコハマ』
県民ホールの裏の道を元町方向に歩いて右手にあるパスタ屋です。
メニューに「絶品ボロネ-ゼ」とありますが、本当に絶品でした。

『マルシェ・ディジュール』
横浜公園前にある、ワインがメインの酒屋です。店内で角打ちが出来ます。
今流行りの立ち飲みってやつです。スパークリングもあるのがいいです。

 

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person_10|青戸 知|Satoru AOTO |2013.2.18

青戸 知

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

二期会会員 日本声楽アカデミー会員 聖徳大学講師/東京都。生まれは北海道・札幌。函館、山梨県都留市、東京都青梅市、同港区青山に育つ。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

歌手として関わっています。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

父母ともに牧師で教会に生まれ、賛美歌、オルガンに幼少から親しむ。音楽が自然と近くにある環境にあったことが音楽家になるきっかけであったのかもしれない。演劇に出演するのは初めてです。もちろん今回の出演も俳優としてではなく歌手としてですが。
5年前のオペラ『流刑地にて』(原作:フランツ・カフカ、作曲:フィリップ・グラス、指揮:中川賢一、演出:三浦基)への出演が今回の『駈込ミ訴ヘ』出演のきっかけになっていると思う。出演したオペラの中でも、自らの心に残る作品の一つである。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

風が凄くて…歌手は歌は歌えないなーと思っていました。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『走れメロス』は子供のころから好きでした。この本を読むたびに人間て素晴らしいなと思います。
『斜陽』はいつのまにか読み終わっていました。人間て惨めだな、でも生きていかなければと勇気をもらいました。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

語る事と歌う事?
もっと良い声になりたい。
もっと歌がうまくなりたい。
もっと良い歌が歌えるようになりたい。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

これから連日の稽古でお気に入りスポットを捜します。楽しみです。

 

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person_09|窪田史恵|Shie KUBOTA |2013.2.18

窪田史恵

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

 地点/大阪府豊中市

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

地点のメンバー、俳優として

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

①小学校低学年:劇団四季のミュージカル
②中学3年:4つ上の兄が大学の演劇サークルから持ちかえった、日本のいろいろな劇団の公演ビデオ
③高校生時代全般:②の継続、及びバイト代を貯めて数回観に行った舞台

主に上記の3つの理由で演劇に興味を持ち、大学入学とともに、実際に演劇に関わり始めました。どの時期を振り返っても、俳優として演劇に関わることを無意識のうちに前提としていたようです。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

かつてないスピードでラストシーンまで完成し、演出家が唐突に全部できたともらしたため、稽古場全体がとまどったような空気になった瞬間が印象的でした。
横浜に滞在し、劇場で新作をつくるということは、このようなことをいうのかと改めて感じた一コマでした。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『女生徒』
冒頭20行程の、ほとんど一息で読み切る語りの調子が特に好きです。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

なんとしても駈け抜けたいです。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

ビストロ酒場
KAATに程近くはないのですが、関内駅のすぐそばにあります。
とにかくビーフステーキ然としたビーフステーキがお薦めです。
観劇後、明日への活力にぜひどうぞ。

 

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person_08|大石真一郎|Shinichiro OISHI |2013.2.16

大石真一郎

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場 舞台技術課(照明)/生まれは長崎県長崎市。大学から東京暮らし。KAATに来て横浜市民3年目。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

照明デザイナーです。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

大学に入ったときのサークルオリエンテーションで、顔見知りのクラスの先輩にジュース1杯をダシに呼び止められたのが運の尽きで、なぜかそのまま劇団に入ってしまいました(当時僕自身は演劇経験は皆無でした。やったことはおろか観たこともないという。なのでどうして劇団なんかに入ろうという気になったのか、これはいまだに自分の人生上の最大の謎です)。その後学内の劇場に呼び出され、「何をやればいいんですか?」と聞いたら「う~ん、とりあえず照明がいないから照明やって。」と言われ。まさかそれから四半世紀、照明を続けることになろうとは。僕はスーパー文系の人間だったので、電気の理屈なんかよくわからないまま機材を触ったり電源工事まがいのことをやって、よく感電したり機材に火吹かせたりしてました。ああ死なないでよかった(泣)。ところで、そのときの学生劇団の主力メンバーのひとりが、実は他ならぬ我がKAATの技術監督H氏です。でもあんまし詳しくしゃべると怒られるから言いません。
そんなわけで芝居を「観る」より「やる」ほうに先に入ってしまったんですが、初めての観劇らしい観劇は、山崎哲さんの<転位・21>の芝居でした。犯罪実録モノですね。劇団に入ってすぐの頃、「勉強のため」とか言ってマニアックな先輩に下北沢のザ・スズナリに連れて行かれたんですが、初観劇なのにわりかし楽しんでしまったので適性はあったのかもしれません。ただこれを言うと、大体の人に「お前の演劇体験はゆがんでる」っていわれます。
大学を出たあとは『ぴあ』に就職して2年ちょっと演劇情報担当やってました。未練がましく芝居にぶら下がって食っていきたいという姿勢の現れだったんですが、俳優や演出家にインタビューに行って話を聞いたり記事を書くうち、やっぱり演劇の現場に立ってる人には敵わないな、と思うようになり。で、25歳で思い立ってプロの照明の会社に入り、職業として舞台照明に携わるようになりました。
これが私の演劇との出会いです。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

個人的には初めて地点とお付き合いした公演でしたが、作っていく過程の稽古のしつこさにめまいがしました。地点用語でいう『停滞』を体験して、久々に「ああ稽古ってクルシイ」と思いました。それでも「ああいつもこんな感じよ」って平然としてる地点メンバーを僕は尊敬します。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

僕は一応国文科卒なんですが、太宰ってあんまり入れ込んだ経験がないのです(太宰というと、太宰治の作品よりむしろ『コージ苑』の「太宰はん」を先に連想してしまうくらいで)。でもかといってここで超有名作を挙げるのも悔しいので、超マイナー作を推してみます。『禁酒の心』。誰も知らないなきっと。5ページ位で終わっちゃう超短編ですが、お酒への屈折した愛情が感じられて、なんか好きです。あと、『ろまん灯籠』がお好きな方、同じく「連作小説」をネタにした清水義範の『人間の風景』という短編を読んでみると楽しいですよ。直接のパロディではないとは思うんですが『ろまん灯籠』を思い浮かべつつ読むとそうとう笑えます。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

今回は2作品交互上演でしょっちゅう仕込み替えをしなきゃいけないので、いかに簡単に2演目上演ができる照明プランにするか、というのが目下の大懸案事項です。すごい現実的な面白くない答えでスミマセンが。
昨年の『トカトントンと』だけの上演でも結構な量の機材は仕込んでいたので、今回2演目分となるとKAATの大スタジオにほんとに仕込みきれるのか、という不安がまずあるんです。機材数とか照明回路の数とか、もっと根本的な話、仕込むスペースがそもそもないとか、2演目分のプランが同居するにはいろんな制約が出てくる。いきおい、いかにシンプルに無駄のない明かりにするか、という方向に考えは行かざるを得なくなります。再演の『トカトントンと』の明かりにも結構手を入れるかもしれない。そのあたりが挑戦と言えば挑戦でしょうか。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

北仲通の韓国料理屋「どやじ」に行ってみてください。美味しいのでイセザキモールの本店に僕はよく行くのですが、北仲通の支店はロケーションの問題かちょっと集客に苦戦してるみたいで大体空いてる。本店同様美味しいのでぜひ一度。

 

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person_07|河野早紀|Saki KONO |2013.2.16

河野早紀

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点/京都

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

『駈込ミ訴ヘ』『トカトントンと』出演

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

大学3回生の夏、初めて演劇の実技の授業を受けました。講師は三浦基、戯曲はサラ・ケイン「4時48分サイコシス」という、いま思えば初心者には大変とっつきにくい顔ぶれで、この先生は信用できるのか、これは本当に演劇のための戯曲なのかと疑いながら、演劇を作っていく作業がまさに今やっていることの積み重ねなのだという意識のないまま、でもこの先生の言うことを当てにするしかなく、ひたすら4ヶ月間の稽古に猛進しました。必死で台詞を覚え続けたこと、特に、朝目が覚め口を開いたとたんに台詞がずららと出てきたことは空恐ろしく印象に残っています。
ちょうどその時期に地点の「三人姉妹」の公演があり、初めて地点の作品を観てにやにやしながら帰ったのも覚えています。
これが私の演劇との出会いです。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

山本理顕さんが手掛けられた美術で、舞台の一番奥にキラキラした大きな壁のようなものがあり、これは約10cm四方の鏡のようなパネルが数千枚連なって出来ています。ある日KAATのスタジオで、長いワイヤーに沿って移動しながらパネルを手で通していくという作業を何十人ものスタッフの方々がひしめきあって行っているところを見ました。パネルが等間隔できちっと連なっていくのはもちろんのこと、手で通す流れ作業も規則正しい動きで滞りなく、通し終えたパネル付きワイヤーは舞台上にみっちり並べられていて、工場の製造ラインのよう。すさまじい人力と、こういう几帳面さなしには作れないスタッフの方々に感動しました。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『列車』
書かれている気まずいエピソードももちろんですが、この列車が「上野から青森へ向けて走つた」り、「つめたい雨の中で黒煙を吐きつつ發車の時刻を待つてゐた」り、「無學な田舍女」である妻が「FOR A-O-MO-RI とひくく讀んでゐた」り。太宰の要領の悪さというのか、運のなさというのか、そういう持って生まれた不幸のようなものが、「ざつと二百名からの旅客と十萬を越える通信とそれにまつはる幾多の胸痛む物語とを載せ」るものとして偏って捉えられた列車をめぐって、3行読むごとににじみ出てくる、不穏な空気に満ち満ちた作品です。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

『駈込ミ訴ヘ』では、俳優は上演中走ることが基本になりそうです。当たり前のことですが疲れますし、息が切れてはあはあ言いますし、頭も足元もふらふらします。本当に上演中ずっと走るのかはまだわかりせんが、もしそうならば、息切れもしてふらふらもして素直に疲弊していこうと思います。じわじわと消耗されていく過程を過ごした先でしか出来ないこともあろうかと。実際そんな状態で何が出来るのかはわかりませんが、消耗するからにはただの徒労で終わらないようにぜひともしたいです。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

京都の私が住んでいる辺りには10分歩けばパン屋、また10分歩けばパン屋、というくらいパン屋がたくさんあります。それとは関係ありませんが私はパンが好きでお昼ごはんによく食べます。劇場の周りには中華のお店はたくさんあってもパン屋が見当たりませんので、パン屋のパンを手に入れるため「gooz」というお店によく行きます。横浜スタジアムのすぐ近くです。惣菜パン菓子パン共に充実しており、毎回かなりの時間をかけて迷っていますが、結果サンドイッチばかり買っています。ふっくらとしていて美味しいのです。パン以外にも弁当やおにぎりなどもこれまた充実しているので、「今日は米!」という気分になっても大丈夫。まだ飲んだことがありませんがコーヒーもたくさんの種類あり美味しいようで、石田さんがよく飲んでいます。

 

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person_06|熊井一記|Kazunori KUMAI |2013.2.13

田嶋結菜

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT神奈川芸術劇場 広報営業課 広報担当/東京都調布市

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

KAATの広報担当として、制作担当(劇団、劇場)等と連携しながら、公演の広報活動を進めています。普段は劇場の広報の他に、「神奈川芸術プレス」という情報誌の編集の仕事もしています。
※「神奈川芸術プレス」はWebサイトからも読むことができます。最新号には三浦基さんと山本理顕さんとの対談を収録しています。→http://www.kaat.jp/arts-press/

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

大学に入るまではほとんど舞台芸術に関わりがなかったのですが、友人に誘われて演劇やオーケストラを鑑賞しに行ったことで、自分の知らない世界に強い興味を持ったのが直接のきっかけです。スティーヴン・バーコフ主演「コリオレイナス」、キャサリン・ハンター主演「リア王」(共に東京グローブ座)などが、いまだ鮮明に記憶に残っています。その後、授業の空き時間に映画や演奏会に行くようになり、夜な夜な芝居を見に行く日々になりました。大学卒業後は劇団四季で働いたのち、神奈川県民ホールでチケットや広報の仕事を、2009年からKAATの開館準備に携わり、現在に至ります。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

千秋楽の上演中に地震が起きたことです。
劇場内の扉の内側に立って、舞台と客席の様子を見ていたのですが、「ん?背景パネルがいつもと違う風に揺れている」と思ったら、割りと長く揺れる地震でした。あたりを見回すお客様もいましたが、でも幸いそれ以上大きくならず、上演はそのまま進みました。
私たちの毎日は3.11とも戦争とも、いつも歴史と地続きだと思い直した瞬間でした。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『親友交歓』
最初に読んだ時、びっくりした記憶があります。
短いので未読の人はぜひ。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

挑戦=どの回もお客様でいっぱいにすることです(がんばる)。
期待=まっすぐに作った現代演劇の現場に、たくさんの人と立ち会うことです。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

神奈川近代文学館→http://www.kanabun.or.jp/
港の見える丘公園の奥にある県立の文学館です。
KAATから向かうと、山下公園、ホテルニューグランド、横浜マリンタワー、元町商店街などを抜けて、港の見える丘公園に至る気持ちのいい散歩道を辿ります。文学館の手前から見渡す横浜港は、みなとみらい地区や氷川丸などの観光地の景色と、ガントリークレーンが林立する港湾都市の景色が同時に一望でき、「横浜」の現在のとある一面を実感できるポイントです。
また、文学館では今回の公演期間に合わせて、ちょっとした太宰コーナーもできる予定なので、よろしければ観劇前後に立ち寄ってみてください。

 

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person_05|田嶋結菜|Yuna TAJIMA |2013.2.13

田嶋結菜

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点/神奈川県相模原市
京都に来て、友人が「出身は宇治。平等院とお茶のまち」、と言っているのを聞いておののきました。相模原はなんだろう? 「基地のまち」ですかね。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

制作

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

演劇見るのが好きだった、ということがありますかね。紐解いて考えるとやっぱり母親の影響か。母は相模原の演劇鑑賞会に入っていたのですが、仕事が忙しくて見に行けないときに、よく代わりに行ってました。文学座とか、こまつ座とか、すっごいうまいなーって思って見てました。
高校2年の時に、その年の演目が割と若い人向けなので会員になればと言われて、一年だけ会員だったことがあります。カクスコとか自転車キンクリートとか見ました。全然若い人向けという訳じゃなかった小沢昭一さんの『唐来参和』も、その年見ることができてよかった演目の一つでした。
そういう訳で演劇が好きでしたけど、やりたいとは露とも思わず。結局、大学の授業で「アートマネージャー」という言葉を知って、演劇の世界のそれになろう、って思ったことがきっかけだったのかも。でも「制作」という職業を初めて知ったときのことを覚えてないんです。なんとなく知って、なんとなく劇場のチラシで制作のクレジットとかチェックしてたような。
前後して、大学の先輩にあたる平田オリザさんのこまばアゴラ劇場に観劇しに行って、それが私にとっての小劇場デビューでした。『われらヒーロー』というフランスとの交流企画で、物凄く印象に残ってます。帰り道の水たまりまで覚えているくらい。その後、大学卒業間近に拾っていただき、オリザさんの劇団「青年団」に入ることになりました。
地点は、青年団に入った年の夏に『三人姉妹』の通し稽古を見に行って、これやりたいな、って思ったのが最初です。今までの観劇経験から、ホンがよければ劇はおもしろい、って思いこんでいた自分が「演出」という概念に気づかされた記念的な作品でした。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

制作過程ではないんですが、楽日の本番中に地震があって、何秒間か揺れが続いたんです。私がいたギャラリーからは、パネルが結構大きく揺れているのが見えて、「どうしよう、このままだと本番が止まっちゃうかも」と思いました。オペの人達やスタッフもまわりに何人かいて、誰がいつ動くのか、息を詰めていたらやっと揺れが止まったんです。後で聞いたら、台詞を言ってた俳優たちは全然気づかなかったそうです。楽日だったので、いっしょにギャラリーにいたスタッフの人とは地震があったことを共有するヒマもなく京都に戻って来てしまい、KAATの人とは唯一、制作の伊藤さんから「外にいたんですけど、全然気づかなかったんですよー」と聞いただけでした。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『待つ』
3分で読める短編。太宰治の『お伽草紙』を舞台化した『お伽草紙/戯曲』(作:永山智行、演出:三浦基、劇団うりんこ初演)に一節が引用されていて、それで印象に残っていたのですが、普段滅多に行かない図書館でたまたま手にとった集英社の戦争文学全集にも収録されていて、それで初めて全文読みました。『斜陽』でも「待つ」ということが語られていますけど、太宰は恋愛のことを言ってる訳じゃないんだなあ、としみじみしました。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

2本立てとロングランがやりたかったことです。あとはこれを成功させなくてはいけませんね。
初日前にチケットが売れていないことを恐れない、ということを常態にしたいです。見た人の口コミでだんだんと作品が浸透していくような、だんだんとチケットが売れて行くような状況と環境をつくり出していくことが大きな目標で、そのための一歩です。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

神奈川近代文学館
『トカトントンと』の稽古中に、〈NIPPON文学シリーズ〉にちなんでお邪魔しました。厚い防火扉の向うに保存されている貴重な資料をたくさん見させていただき、本当はそのときのリポートをWEB上にアップする予定だったのに、できないままになってしまっていて心苦しい……という思い出があります。漱石愛用(?)の絨毯や、太宰が川端康成に送った「賞くれー」という直訴の手紙など、文学の世界を生々しく感じることができます。港の見える丘公園の中にあるのですが、公園からの眺めを楽しむことはもちろん、帰り道に元町や山下公園あるいは中華街をぶらぶらするというのが、観劇前の散策におすすめのコースです。ぜひ。

 

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person_04|徳久礼子|Reiko TOKUHISA |2013.2.9

徳久礼子

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

神奈川芸術劇場/東京都

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

音響デザイナーとして。観客だけでなく俳優・スタッフも含めて、この作品に立ち会うすべての人々に届く「音」について、どんな音が必要でふさわしいかにはじまり、その音量や音質はもちろん、どういう場面でどういう聞こえ方をさせるかといったことをデザインしています。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

バレエを習っていた子どもの頃、二年に一度の発表会の舞台袖で出番を待っているときの高揚した気分とともに、お客さんの目にはいっさいふれないところで働く裏方の人たちの姿が印象に残り、「あの仕事についたら、毎日この場所にいられる!」と思ったのが始まりです。あんなに長いこと練習したのに本番はあっという間に終わってしまい、それから少しして観始めた小劇場の芝居では客席まで役者の汗やつばが飛んでくる生の空気に圧倒され、観る人と演じる人が同じ時間を共有する舞台にかかわる仕事にいつかつきたいと憧れを抱き続けていました。はじめは音響でも照明でも何でもよくて、とにかくこれを仕事にすれば毎日一年じゅう舞台袖で出番を待っている時のようにわくわくする気分になれると思ったのです。どうやったらこの仕事につくことができるのかわからずまわり道もしましたが、仕事を始めたころは劇場にいられるだけで嬉しくて、ケーブル養生をしていて舞台の床にさわれるだけで幸せな気分で、子どもの頃の発表会の舞台袖で見ていた光景がこの道のスタート地点だったと思います。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

舞台正面奥の全面に飾られた、キラキラ光りながら風にゆれる小さなパネルの一枚一枚を、舞台技術課のメンバーで作ったことです。7センチ四方ぐらいの薄い板の裏に、ワイヤーを通すための部品を一枚につき一本ずつ接着剤で貼りました。その部品は断面がコの字型をしていて7センチほどの長さで、チョコレート色の細い棒の姿をしていたことから、私たちはそれを「小枝」と呼んでいました。毎日時間のある時にひたすら「小枝」をパネルに貼るという内職のような手作業を続け、ついに合計一万枚の小枝つきパネルが完成しました。実際に劇場に飾るときも、たくさんの人の手で一枚ずつそれをワイヤーに通して、一枚の大きな壁画のようにして作りました。お金をかけてコンピュータや無線を導入した最新の技術で作り上げるエンターテイメントショーも楽しいものですが、このように素材はシンプルでありふれたものでも、何もないところからそれを使ってどういう表現ができるかアイデアをひねり、人の手間ひまを惜しまずに作られた作品もまたそれなりに人の心をひきつけるものだと私は思っています。お金ではなくまず頭と手を使うことこそが舞台作品をつくる原点であることをおしえられた時間でした。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

山下公園の中にある子育て応援コンビニ「Happy LAWSON」です。ディック・ブルーナさんのイラストと、白と青のさわやかな外観がまずコンビニっぽくないかわいらしさで、お店の中にはカフェや遊べるスペースがあり、子どもたちの元気な声がきこえています。おにぎりやお弁当のほかにお菓子の詰め放題や横浜のおみやげなど、子連れでなくてもちょっとのぞいてみるだけで楽しくなります。KAATご観劇のあとや散歩の途中にどうぞ。

 

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person_03|小林洋平|Yohei KOBAYASHI |2013.2.9

小林洋平

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点/山梨県

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

俳優

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

中学から学園祭でやる演劇に出たり、高校の頃は美術部と演劇部に所属していました。でも初めて演劇を意識したのは高校卒業後に入学した舞台芸術学院です。その時の先生が、金杉忠男さんというアングラ演劇の雄と呼ばれた人でした。
なんだか変な大人がいるんだなって思いました。演劇の世界で変な人はたくさんいますけど、金杉さんは演劇的な言葉や空間を作るのに誠実に向き合っていて。こんな世界もあるんだって思ったんです。その時、本気でやってみたいと思いました。
印象に残っているのは、稽古でロッカーを殴るシーンがあって、演出をつけるために金杉さんが思いっきり殴ったとき。ちょっとひくぐらい。大人の本気を見た瞬間でした。 「ロッカーの殴り方はそうじゃないだろ。こうだろ!」って。時々思い出します。
金杉さんはかなりハードな事をやっていて、例えば「突撃板」という伝説的な試みがあるんです。役者が台詞を叫びながら上手と下手にある壁に思いっきりぶつかるという。それで骨折した俳優がいて、骨の折れる音が劇場に響いたそうです。だからロッカーを殴るぐらいは全然余裕なんですが、二十歳の若造をビビらすには十分でした。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

トカトントンとの劇中で「プリーズ、テル、ミー」という台詞があるんですが、昨年駈込ミ訴ヘの稽古でKAATに来た時に舞台監督の山口さんが開口一番、「いやあ、またプリーズ、テル、ミーですねー」と、ニコニコ近づいてきました。(おそらく、また太宰をやる季節がきましたねという意味だと思います。)
私は、「今回はトカトントンじゃなくて、駈込ミ訴ヘの稽古ですよ」と言ったのですが、山口さんはプリーズ、テル、ミーを3回ほど繰り返して去っていきました。
ちなみに山口さんは、芝居の中で気に入った台詞を自分なりに解釈して役者に聞かせるのが大好きです。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『魚服記』と『女生徒』
 
『魚服記』は水木しげるが好きな人にお薦めです。『津軽』や『魚服記』を水木マンガで読みたい。でも、水木さんは太宰が嫌いらしい…。
「おめえ、なにしに生きでるば。」
「判らねぢや」
「くたばつた方あ、いいんだに。」
 
『女生徒』の登場人物と、嶽本野ばらの『下妻物語』に出てくるロリータファッションが好きな女の子の精神構造はほぼ一緒です。
二人ともロココを愛しています。
「美しさに、内容なんてあつてたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。きまつてゐる。だから、私は、ロココが好きだ。」

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

期待していることは、山口さんの台詞のチョイスです。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

KAATで「光のない。」の稽古をしている時の事です。プロダクションメンバーで飲もうという事になりました。予約して行ったそのお店に入るや否や女性の店員さんが興奮して私の名前を呼びました。その女性になんとなく見覚えはありますが、とっさには名前が出てきません。よく状況が飲み込めないまま話しを聞いてみると、なんとその人はほぼ20年ぶりに再会した私の地元、山梨の同級生だったのです!しかも、保育園から高校まで一緒という超がつくほどの幼なじみでした。結婚して旦那さんと一緒にこのお店をやっているそうです。お店を出るときにはメンバー全員が色紙にサインを書かせてもらいました。よかったら、私の超幼なじみのお店に行ってみてはいかがでしょう。
「幸せな一皿洋食のtaku.」という名前です。KAATから3分ほどの所にあります。やさしくて、ホッとする味「taku.」。接客もとてもやさしい「taku.」。ポトフに入っている野菜が、あれ?切り忘れたんじゃないか、と思うほど大きい「taku.」。みなさまよろしくね~

 

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person_02|伊藤文一|Bunichi ITO |2013.2.6

伊藤文一

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

KAAT/三重県

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

制作(KAAT神奈川芸術劇場)

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

ずっと遡ると、高校生の時、兄がお芝居をやっていたこともあって、文化祭か何かで一度裏方を手伝ったことでしょうか。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

山本理顕さんとの出逢い。美術を理顕さんにお任せしようというアイディアは、KAAT館長のまったくの直感で浮かび上がったものですが、舞台美術らしくないものが舞台にあることで、ちょっと距離を置いて冷静に舞台を観ることができる効果が感じられたのは面白かったです。

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

お伽草紙のカチカチ山。「惚れたが悪いか」というフレーズが、自分のことしか考えないダメな男のようですが、男らしい言葉ですね。「駈込み訴え」を読んでいると、ユダがごちゃごちゃと文句を言っていますが、結局は「惚れたが悪いか」と言っているような気がします。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

横浜赤レンガ倉庫のそばにある、海上保安資料館横浜館の工作船展示館。平成13年に発生した九州海域で発生した北朝鮮籍と見られる不審船との銃撃戦の後に回収された工作船が、回収物とともに展示されています。漁船みたいなみすぼらしい船に銃弾の跡があったり、偽造パスポートなどが展示してあったり生々しい限り。色んな意味でショッキングな体験ができます。

 

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person_01|安部聡子|Satoko ABE |2013.2.6

安部聡子

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1.所属(会社名など)/出身地(出生地か育ったところかなどは自由に)

地点
北九州市門司区。六年間通った小学校の廊下からは関門海峡だけが見えた。
男の子から後ろ蹴りされたのもこの廊下。悔しい。

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2.今回の作品にはどういう立場で関わっているのですか?

地点の俳優として。
ゼッタイオトセナイ、ケドラフナカンジデザックリヤリタイ、トカいろいろ。これは立場というか態度ですかね。

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3.この仕事を始めたきっかけは? 演劇(舞台芸術)との出会いについて教えて下さい。

『猿の惑星』
これは映画ですね。昔テレビで見ました。
映画監督になりたいと思ったし、たくさん映画が観たかったし、映画の現場に近づけるんじゃないかと思って東京を志向しました。大学二年の時、15分の8ミリ映画を撮りました。ほろ苦い思い出です。
そのうちに会社員になりましたが、演技や演出の在り方に対する執着心だけは異様に持ち続けていたと思います。
それが今に至る原動力だったように思います。
舞台芸術のナンタルカ、よき出会いについてはまだわかりません。

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4.『トカトントンと』は再演になりますが、昨年の制作過程で印象に残ったことがあれば教えてください。

小道具のハンマーが重い。と思ったら、16キロありました。(うそです。)

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5.太宰治の小説で、他に好きなものがあればタイトルとおすすめポイントを教えて下さい。

『東京八景』
お正月明けに、たまたま病院の廊下で読んだらなぜか泣けた。
おおらかで、セッパ詰まってて、ノーファウルの私芸術って感じです。夕陽がでてくると泣きやすくなりますね。
ちなみにその日は病院の廊下で5時間待ちました。骨に異常はナシ。

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6.今回の作品で特に挑戦したいと思っていること、期待していることなどがあれば教えて下さい。

そりゃいつも奇跡を製造したいと思っているのですがね、特に、っていうと何でしょうかね。ハシル阿呆を通り越して聖人になりたいですねワシャ。

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7.劇場に来てくれたお客さんがついでに寄ることのできる、KAATの近くのオススメスポットがあれば教えて下さい。

『バンビ』
KAATのはす向かいにありますよ。
一階は洋服の生地などを売っているちっさいお店で、その二階にある意外に広い喫茶店です。踊り場抜けてマガジンラックからニッカンスポーツなんぞつまんで一服したらどうですかね。(営業時間未調べ)

 

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Index

 

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2013.4.4|番外編

18| 久保田愛(舞台美術)

久保田愛

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2013.3.5

17| 松本久木(宣伝美術)

松本久木

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2013.3.2

16| 山本園子(KAAT)

山本園子

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2013.3.2

15| 山口英峰(KAAT)

山口英峰

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2013.2.25

14| 三浦基(地点)

三浦基

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2013.2.24

13| 堀内真人(KAAT)

堀内真人

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2013.2.22

12| 中里也寸志(KAAT)

石田大

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2013.2.20

11| 石田大(地点)

石田大

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2013.2.18

10| 青戸知(バリトン歌手)

青戸知

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2013.2.18

09| 窪田史恵(地点)

窪田史恵

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2013.2.16

08| 大石真一郎(KAAT)

大石真一郎

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2013.2.16

07| 河野早紀(地点)

河野早紀

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2013.2.13

06| 熊井一記(KAAT)

熊井一記

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2013.2.13

05| 田嶋結菜(地点)

田嶋結菜

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2013.2.9

04| 徳久礼子(KAAT)

徳久礼子

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2013.2.9

03| 小林洋平(地点)

小林洋平

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2013.2.6

02| 伊藤文一(KAAT)

伊藤文一

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2013.2.6

01| 安部聡子(地点)

安部聡子

 

 

 

 

2016.3.29 UP!

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2011.11.21

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